2014/09/16

Timberize TOKYO 2020展 トークセッションレポート

9/15(月・祝)、Timberize TOKYO 2020展にて行われたトークセッションの様子を報告したいと思います。
この日は「木造とこれからのまち」というお題で、木造が街に寄与するモノや、そのためにはどのような事が必要となるのか、など幅広く議論が行われました。


登壇者は以下の通りです。

晴海地区チーム
久原裕(Studio Kuhara Yagi/team Timberize)
八木敦司(Studio Kuhara Yagi/team Timberize)
蜂屋景二(bbr)
内海彩(KUS/team Timberize)
長崎辰哉(アトリエハレトケ)
篠崎正彦(東洋大学理工学部准教授)

100の木造建築出展者
江村 哲哉(アラップ)
長谷部勉(H.A.S.Market)
安田博道(環境デザイン・アトリエ)
柳澤潤(コンテンポラリーズ)
田口知子(田口知子建築設計事務所)
遠藤克彦(遠藤克彦建築研究所)
(※敬称略、順不同)


まずは、teamTimberize理事長である腰原幹雄さんが登場。
この展覧会の趣旨を説明しました。
1964年、東京オリンピックの開催をきっかけに都市が発展し、現在の東京を支えてきた。50年たった今、東京は転換期を迎えている。Timberize TOKYO 2020展は、2020年までにやれること、また2020年後のことを「木」という視点から考えなおそうという試みである。

teamTimberize理事長、腰原幹雄さん


その次に晴海地区を担当した方々がそれぞれの作品ついて説明をしました。

Timberizeメンバーによるプレゼン



その後、100の木造建築出展者の方々が展覧会の感想や、木造について考えることなどを語っていただきました。
その中から一部、お話の内容を紹介します。


柳澤さん
大学で教鞭をとっていて、3.11の影響か木造の構造に進む学生が増えていると感じる。学生たちは木造の可塑性や変様性の魅力に気付き始めているのではないか。
さらに、展覧会の構成に関しても、Timberizeのヴィジョンはわかるが、例えば木を使うことで具体的にCO2がどのくらい減少するのかやRCなどとの比較論があったほうがいいのではないか、構成論ばかりになってはいないか。


安田さん
技術者たちは新しい技術や素材を使いたがるが、汎用性や流通性が重要である。例えば、住宅などを新しい技術で造ろうとすればコストがかかる。ある程度、規格化された材を積極的に使用し、もっと踏み込んだ提案ができれば新たな汎用性が生まれるのでは。


長谷部さん
今回出展した100の木造建築の模型の住宅は在来軸組工法だった。在来軸組工法の良さは、全国どこにいても大工さんがいれば建てることが出来るということ。新しい技術で建てようとするとどうしてもコストが高くなってしまう。アトリエ天工人(テクト)の山下保博さんが阪神淡路大震災をきっかけに設立したProject1000というプロジェクトの一つとして参加した。1000万円代で住宅を建てるということを目指した。木造を実現させていくことが重要である。





そして、最後にフリートークが行われました。
その一部を、紹介します。


「木造は住宅建築を中心に使われるが、都市木造を実現させるためには今後どんな問題があるのか?」


久原さん
都市木造や大型木造を実現させるためには、まずふさわしい規格が必要となる。木造に鉄骨やRCのような大きな規模の規格がない。ただその反面、木には加工性や柔軟性といった鉄骨などにはない特徴がある。必ずしも規格化するだけがいいわけではないが、Timberizeとしては、その規格がどういうサイズのものなのか、どういうものが適切なのかを示すことをしていきたい。


「2020年に向けてどうあるべきか?」


遠藤さん
建築の学校教育の中で、流通材を使って建築をつくる工法的なアプローチが足りないと感じている。実は、建築のデザインは経済の中にあるという気持ちが足りない。これを学校で教えることは、人材が少ないということもあり難しい。だが、まず知識としてこういったベースがまずあるべきで、これは建築界全体の問題である。Timberizeの活動は、2020年や将来に向けて良いきかっけになるのでは。



以上が一部ですがトークセッションの内容でした。
今回のトークセッションを公聴し終え、今考えること、それは日本における木造建築の大きな特徴として、そもそも多くの建物が「木」でつくられていたこと。つまりそれは、違う見方をすれば木造には生産や流通の基盤が既にしっかりあるということ。この利点を見直し、さらに利用するという方法に新しさを感じました。


さてさて、このTimberize TOKYO 2020展ですが、9/24(水)より新木場タワー18階レセプションルームでの展覧会がスタートします!
スパイラルでの展示を見逃した方など、ぜひお立ち寄りください。

以上、M1鈴木のレポートでした!!


2014/09/01

Timberize TOKYO 2020展

2020年の東京オリンピックを契機として、都市木造というコンセプトのもと、これからの東京のあるべき姿の一つを描き出すーーー。
9/5-9/15、「Timberize TOKYO 2020展」が開催されます。
M1の白石と鈴木が、高橋先生の事務所ワークステーションと共同で、東京晴海地区水際の商業施設と船着場の1/50模型を担当しました。
今回は、事務所で行われたエスキースやミーティングの様子、本案へと至る製作過程を報告します。

晴海地区の敷地東側にある水際が担当場所です。
写真下が商業施設、上が船着場。
船着場はM1の二人が設計を担当しました。
まず考えたのは、曲げ合板で木輪を作り、それらを繋いでアーチを作るという案。
重力により下の部材になればなるほど円が歪んでいき、変形することを目指しました。
構造家の森部康司さんに頂いたアドバイスによれば、プロジェクトは実現を前提とする提案であるため、合板を曲げて円を作るのは難しい等の障害が多く、凍結されることとなりました。

次に提案したのは、角材を組んでユニットを作り、ユニットを組み合わせることで壁や屋根を構成する案。
ユニット。
ユニットを2つ組んだところ。
壁と屋根を組んで上屋にする。
この案は、壁と屋根の接合方法や、ユニットを構成する角材を増やしたりといった森部氏の構造的アドバイスを受け、本案として採用されることになりました。
本模型の組み立て途中。
ワークステーション設計の商業施設も含め、模型は木で制作したため、精度を出すのが大変でしたが、なんとか間に合いました。

Timberize TOKYO 2020展
会期 9/5-9/15
場所 スパイラルガーデン

近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄り下さい。
以上、M1白石でした。

2014/08/03

TBWA HAKUHODO 見学会 議事録 02


5月16日に見学したTBWA/HAKUHODOのレポート続編

高橋スタジオOBの藤田さんが設計したフロアについて公開します。
タイムリーですが、先日この作品が第27回日経ニューオフィス賞 関東ニューオフィス奨励賞を受賞しました。おめでとうございます。

藤田さんのプロジェクトは本社の別館の一階と、ビルの最上階になります
一階はかつて吉村靖孝建築設計事務所に勤めていた頃に担当した空間で、最上階の方は独立後の作品になります。

この建物は以前"ジュリアナ東京"という伝説のディスコがあった場所で、建築として希有な経歴を持っています。


一階のロビーは外部の光が入る間口は無く、天高にゆとりのある空間になっていて
人を出迎える気配があるインテリアと空間感が見て取れました。



自然光が入らないため、無機質な雰囲気があるこの空間では工夫が施されている。

照明の装置には時間に呼応した色が変化するプログラムがくまれている。
又、照明装置をフィルタリングする硝子板の面積が広く、一枚一枚はものすごく大きい。
理想的な光を通す為にガラスの板は無色透明ではなく、薄いピンク色の板に半透明のガラスをサンドしていて、ダイナミックなマテリアルに繊細な操作をしています。

写真に映ってるミラーボールから以前の面影が垣間見えます。





外部関係者や、社内の人々の話し合いにも使われるベンチとテーブル
会社であることを忘れる様な雰囲気です。





カウンターはバーの様なお洒落な風貌。ここからもディスコという系譜が辿れます。



つい新聞を読んでいるところを撮られました。




エレベーター(の前)ホールが本棚とソファ
前回レポートしたフロアにもありましたが、ここのオフィスにはリラクゼーションスペースが随所にあり、そういった要素がこの会社の特色の一つだなと感じます。






---------------------ここから最上階の9階へあがります---------------------






エレベーターで9階まで上がると、出てすぐのホールでは豆電球が柔らかく灯っていました。





見蕩れています。



セキュリティゲートを通って中へ入ると、目に留まったのがサンドバック
リラックスだけでなくトレーニングさえできるのかと、驚きました。
写真手前で会議をしている人がいつつサンドバックに向かって拳を当てている人がいるところを想像すると笑っちゃいます。




このフロアの空間は建築として最小限の佇まいを残し、必要以上の意匠は施されていないように感じました。空調設備があり、照明があって、間仕切りになる壁と。そこに簡易的に可動できるテーブル。

仕事をするのにはちょうど良い簡素さが漂っていました。




この階は外部と接続する間口が廊下一面にあり、高い場所から田町が展望できます。
南向きなので日中は暖かい光が入ってくると思います。
個人的に一階のホワイエとのコントラストが印象的なところです。

またこのフロアでは開口-共有廊下-各室という連続にも注目を寄せられます。
僕が思う従来のオフィスというのは(外側)窓側に部屋が寄っていて、共有廊下は内側にあるか、あるいはそのフロア全体を区切ることをせず一体的にしていて移動するための動線はフロアの中に埋め込まれているものだと考えるからです。

"このフロアを使う人全員が窓の先の景色を観賞することができる"というのはオフィスとしてすごく珍しい気がして、個人的にすごく面白いと思いました。






この階もdatailが興味深かったです。
梁の下に間仕切り壁が設置されている部分の写真

荒く削られた梁と奇麗に密着することなく、近接しているところにはいろんな隙間があり、壁の向こうの光が漏れています。

大胆な操作になっているけれど、こういった仕上がりは「あくまで建築が建った瞬間からこの場所がTBWA/HAKUHODO/QUANTAMの会社ではなかった」事を再認識させてくれる要素になる気がしています。


建物としての記憶を遺すことにつながるからなのか
感覚的ですが、それは、この場所を使う人にとって大事な事の様に思います。




見学した時間軸的にずれますが、一階にて集合写真をとりました。



この日藤田さんと一緒に社内を案内して下さった東海さんは、写真撮影が大好きだとおしゃっられ、これが本日三枚目です。思い出になります。


お忙しいところ長い時間ご紹介して頂き、ありがとうございました。



TBWA/HAKUHODOはオフィスという既成概念を崩して、全くの新しいあり方を示したものでした。
"オフィス"という建築のプログラムのそれまでにに囚われていた先入観が完全に崩れて、とても面白かったです。


見学のあとには田町の駅前で藤田さん囲い、懇親会をしました。
僕は藤田さんから先輩の学生時代や現在の活動等、いろんな話を聞くことができ、その内容も貴重でした。設計の事でも悩んでた部分を相談をして、実はその時聞いた話が前期の課題では大変助けになりました。

最後まで充実した一日でした。

藤田さんとお邪魔したTBWA/HAKUHODOの東海さん並びに社員のみなさまにはご多幸あります様、陰ながら祈っています。

大学では前期を終えました。夏休みを経て後期にはいよいよ卒業設計が始まります。自分も今後の活動に向けて元気よく励んでいこうと思います。


吉澤でした。