2014/06/21

設Ⅳ・日野コース 近況報告 vol.1

こんにちは。建築学科4年の田島です。

僕は設計計画Ⅳで、高橋スタジオの日野コースでお世話になっていますが、昨日はエスキス最終回でした。来週はゲストの方を交えてのプレ講評会、そして再来週は最終提出となります。
 
今日はこの場をお借りして、僕自身の制作途中の作品について、模型写真や図面を交えながら紹介させていただきます。
 
日野コースの学生は今、渋谷の街を舞台として、新しいコミュニティの場となる建築を設計する課題に取り組んでいます。
「東京型コミュニティ」や「事前復興」、「共助」、「絆」などをキーワードとして、日常に於いても、地震などの災害が発生した際にも、コミュニティが生まれるような空間とプログラムをデザインするという内容です。
 
僕は、渋谷の街の中で、渋谷川の存在に着目してプログラムを考えていきました。渋谷川は、今なお開渠のまま残る、東京では貴重な河川ですが、川沿いの建物はほぼ全て川に対して背を向けるような形で建っており、かつて人の生活が川と共にあった頃の面影は微塵も残っていません。もっと、川が人の営みを引き出し、人の営みが川に染み出てくるような場が、現代の東京の街にあってもいいのではないか?と思い、川沿いの既存建物から川に向かって“引出”のように出てくる空間をデザインしました。
 
 
 
“引出”の中は、既存建物に入居する事務所が、第二の仕事場として共有で使う、シャアオフィスのような空間に設定しました。この“引出”は、地震などの災害が発生した際には、帰宅困難者に対して、最新の交通情報や余震などの災害情報を提供する場に変化し、怪我など処置が必要な人へは川沿いの建物に入居するクリニックに案内するなど、帰宅困難者の窓口として機能します。
 
 
 これらの“引出”は“半暗渠空間”と名付けた空間の中にあります。渋谷川は、渋谷駅付近の稲荷橋を境にして北が暗渠、南が開渠と切り替わります。僕は、暗渠区間と開渠区間をゆるやかに繋ぐ“半暗渠”と呼べるような空間をつくることで、現代の都市の中に於いて、川と周囲とが自然に連続するような場を生み出そうと考えました。
 
 
 “半暗渠空間”は、高度処理水を流した人工的な水盤と、自動散水機能を持った半透明の大屋根“天空の水面”の間に挟まれ、夏は気化熱によって涼しい空間になります。
そこに、誰もがお弁当を持ち寄って休めるテラスを設けました。このテラスは災害時には、川沿いに入居する飲食店の協力により、炊き出しを行う場とします。
 
 
 
提出日まで2週間を切りました・・・これから、空間の機能や配置、構造について、よりリアリティを持ったものにしていこうと思います。以上です。

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